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Vol 1 No.1
   
2003;V_1 N_1:1-7   Delayed Opacification of the Coronary Bypass Region Detected by Intravenous Myocardial Contrast Echocardiography
    Fuminobu Ishikura, Shintaro Beppu, Hiroaki Ueda, Hiroyuki Kayano, Toshihiko Asanuma, Kentaro Otani
      回旋枝を完全に閉塞し、同部位に頚動脈からバイパスを形成した犬において経静脈的心筋コントラストエコー法を用いて、大動脈-冠動脈バイパスの染影の特性を検討し た。コントラスト剤を末梢より単回急速投与すると、前下行枝領域がまず染影され、回旋枝領域の染影は遅延し、その遅延時間と大動脈-冠動脈バイパス血流が逆相関する ことが示された。これにより、染影遅延時間が、大動脈-冠動脈バイパスの血流低下の指標になることが示唆された。
   
2003;V_1 N_1:8-14   Propagation of Mitral Valve Closure Flow to the Pulmonary Vein: Its Clinical Relevance to Left Atrial Compliance in Patients With Atrial Fibrillation
    Miwa Ono, Satoshi Nakatani, Keiji Hirooka, Masakazu Yamagishi and Kunio Miyatake
    僧帽弁閉鎖によって生じた血流が左房内を伝搬し肺静脈血流速波形上に逆流波( C 波)が生じる。経食道心エコーを用い心房細動患者で検討した結果、逆流波の伝搬時間は左房コンプライアンスの指標となりうる。
   
2003;V_1 N_1:15-22

  Noninvasive Estimation of Left Ventricular Diastolic Filling Pressure From Doppler Tei Index*
Different Feasibilities in Patients With Higher and Lower Early to Late Diastolic Mitral
Flow Velocity Ratio
    Hui Zhang, Yutaka Otsuji, Keiko Matsukida, Shuichi Hamasaki, Shiro Yoshifuku, Toshiro Kumanohoso, Akira Kisanuki, Shin-ichi Minagoe, Chuwa Tein
    日本語抄録 未
   
2003;V_1 N_1:23-28   Quantitative Assessment of Wall Motion Using Myocardial Strain
    Takuya Hasegawa, Satoshi Nakatani, Takeshi Maruo, Norio Tanaka, Jiyoong Kim, Akihisa Hanatani, Kazuhiko Hashimura, Yoshio Yasumura, Masakazu Yamagishi, Masafumi Kitakaze, Kunio Miyatake
    正常壁運動の左室心筋のストレイン値は、心尖部を除くどの部位でも有意差はなかった。また壁運動の程度と心筋ストレイン値はよく相関し、壁運動異常が心筋ストレイン値により定量化できる可能性が示唆された。
   
2003;V_1 N_1:29-42   The Role of Tissue Doppler Imaging as a New Diagnostic Option in Evaluating Left Ventricular Function
    Takashi Oki, MD
    パルス・ドプラ法の普及に伴い、僧帽弁口及び肺静脈血流速波形を用いて肺静脈―左房―左室連関としての左心系の血行動態異常を非観血的に評価することが可能となってきた。しかしながら、これらの波形から得られる指標は loading condition, 特に preload に影響されることが判明している。近年、新しく開発された組織ドプラ法は、左室の心筋特性を容易に知ることができる手段として臨床面で応用され始めている。特に本法は、 1) 短軸及び長軸方向の情報が得られる、 2) 拡張早期指標は前負荷に影響されない、 3) 収縮早期指標は心筋の収縮性 (contractility) を評価できる、 4) 左室の収縮期および拡張期 asynchrony を検出できる、 5) 心筋速度勾配 (myocardial velocity gradient) は心臓全体の動きに影響されない、 6) 心不全の予後の推定に有用である、などの特徴を有する。今後、機器の改良などにより、本法が虚血性心疾患や心筋症における心筋組織性状を評価する tool となることを期待したい。
   
2003;V_1 N_1:43   Lazy Heart Muscle Demonstrated by Myocardial Strain Imaging
    Satoshi Nakatani, Takeshi Maruo, Takuya Hasegawa, Yasuhiko Abe, Ryoichi Kanda, Kunio Miyatake
    心筋ストレインイメージングによって示された“なまけもの心筋”
角度補正組織ドプラ法を用いれば心筋ストレインの大小を色調で評価することができる。本手法により肥大型心筋症例で後壁が明るく表示されたのに対し中隔には色がつかず、同部位が“なまけもの心筋”であることが示された。
   
2003;V_1 N_1:44-45   Hemolysis due to Prosthetic Transvalvular Mitral Regurgitation Immediately After Valve Replacement
    Yoji Neishi, Takashi Akasaka, Nozomi Watanabe, Kazuo Tanemoto, and Kiyoshi Yoshida
   

弁置換術後早期に出現した人工弁の逸脱による溶血性貧血の症例
症例は 77 歳女性で、重症大動脈弁狭窄・僧帽弁狭窄および陳旧性心筋梗塞(前壁)によるうっ血性心不全 (NYHA IV) を繰り返し発症していた。これに対し二弁置換術(Carpentier-Edwards; 大動脈弁: 19mm 、僧帽弁: 25mm )および冠動脈バイパス術( LITA-LAD )を施行した。術後 2 週間、うっ血性心不全は改善していたにもかかわらず聴診にて心尖部最強点の全収縮期雑音( Levine II / VI)を認め、採血データも術前は認めなかった LDH 上昇 (2250 IU/L) を伴う貧血の進行 (Hb:6.5 g/dl, Ht:20.9 %) を認めた。さらに、ハプトグロビンは 5.8 mg/dl 以下で Coom's test は陰性であり mechanical な溶血性貧血と診断した。この時点で、経胸壁および経食道心エコー図により弁中央部に加速血流を伴い僧帽弁輪部に向かう、明らかな偏在性の僧帽弁閉鎖不全を認めた。再手術については本人・家族が希望せず保存的治療となったが、うっ血性心不全・溶血性貧血が徐々に増悪し、さらには敗血症や多臓器不全を引き起こし術後約 3 ヶ月で死亡した。剖検により人工弁の裂傷や裂開などは認めなかったが、一尖が逸脱し接合が不完全である所見を認めた。 mechanical な溶血性貧血は、弁置換術後の重要な合併症で弁周囲逆流によるものが報告されている。この症例は弁置換術後早期に人工弁の逸脱により、 mechanical な溶血性貧血を引き起こした稀な症例であり報告した。

   
2003;V_1 N_1:46-59   Short History of The Development of Echocardiograpy With Special Reference to That in Japan (1)
    Yasuharu Nimura
    日本語抄録 未

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