理事長挨拶

理事長挨拶

瀬尾 由広

名古屋市立大学大学院 医学研究科 循環器内科学
瀬尾 由広

このたび、第8代理事長を拝命いたしました瀬尾 由広と申します。この重要な役割を仰せつかり、深く光栄に思うとともに、その責任の重さを深く感じております。

2024年4月、医師の働き方改革が本格的に始まり、医療界は大きな転換期を迎えています。この時代の節目に立ち、「医療の質」を維持し、さらに向上させるため、多くの会員が深い思索を重ね、課題に取り組んでいらっしゃることでしょう。医療の質とは何か、その本質に迫る問いは容易ではありませんが、患者さんが安心と満足を得られる高水準の医療サービスを提供することが最優先です。一方、働きがいのある環境を医療スタッフに提供し、プロフェッショナルとして成長できる職場を作り出すことも、医療の質を高める上で極めて重要です。働き方改革の目的は、まさにこれらの実現にあります。この新たな時代に日本心エコー図学会としても果たすべき役割について再考する必要があるでしょう。特に検査の精緻化と効率化を両立させるという課題への取り組みが急務です。心エコー図の教育普及は当学会の使命の核心をなしていますが、これらの最新技術を医療現場で実践的に活用するための教育法の転換が必要だと考えています。具体的には、座学から実践的な体験学習へのシフト、そしてデジタル技術やAIの導入を通じたワークフローの革新が必要になるでしょう。そしてこれまで学会会員でなかった看護師など新たな会員層を発掘してタスクシフトを促進する取り組みも学会が率先して提案するべき重要な課題だと思います。

当学会は、日本循環器連合に名を連ねる学会として、循環器画像診断学の中心的な立場を確固たるものにしていく必要があります。国内外の心エコー図に関するガイドラインへの積極的な関与や、他の学会との交流の促進を通じて、私たちのプレゼンスをさらに高めていくべきでしょう。特に、ASEやEACVIなどの国際学会が発信するガイドラインなどにJSEとして積極的に参画し貢献していくことは、当学会の発展のために欠かせません。それには、みなさんから発せられる多様な研究成果とエビデンスの構築への協力が必要です。学会として会員の探究心を刺激し、積極的に支援する運営を目指して参ります。

最後に、日本心エコー図学会として、技術の研鑽に留まらず、その技術をどのように社会に還元し、広く貢献していくかが重要だと考えています。理事長としての任期中、私はこれらの目標の実現に向けて、全力を尽くします。是非とも会員の皆様のご支援とご協力を心からお願い申し上げます。共に、心エコー図学の新しい未来を築いていきましょう。

2024年4月

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